有川浩さんの「阪急電車」の舞台、阪急今津線(宝塚~西宮北口)

どうも、先日の有川浩ツイートでブログ閲覧数が増えたので、調子に乗って有川浩関連の投稿をしてみるnaka-staです。

半年ほど前になりますが、神戸に行く機会があったので、その際に映画にもなった「阪急電車」の舞台、阪急今津線のうち、宝塚~西宮北口のレポートを。

ちなみに、小説も映画も押さえた上で、現地に行きました。


宝塚駅でみる「阪急電車」

阪急今津線の起点、宝塚駅。小説「阪急電車」の最初のページにも

関西圏では大きな私鉄グループとなる阪急は、えんじ色の車体にレトロな内装が個性的な車両を各沿線に走らせており、鉄道マニアの人気が高いことはもちろん若い女性からも「かわいい」と好評を博している。女性観光客などは「オシャレ!」とびっくりするほどだ。

とある。阪急の外装の統一感は他社を圧倒していると思う。新型車が入るたびに塗装がかわる会社が多く、「黄色」と思っていたらいつの間にか「青色」がメインとなりつつある会社や、普通車用と急行用で塗り分ける会社があったりするが、単一色で統一してあるのは阪急くらいではないかと。

そして、この「阪急電車」を読んで気がつかされたのが鎧戸の存在。読むまで気がつかなかったが、普通の上から下ろすブラインドではなく、下から持ち上げる鎧戸がついている。阪急とその系列である北神急行の車両でくらいしかみたことがない。


「生」のオブジェがある武庫川河川敷

宝塚駅から乗った場合は進行方向右側だが、宝塚方面の線路が入り込んでしまうため、写真を撮るなら西宮北口から宝塚行きに乗った方が撮りやすい(苦笑宝塚駅をでてすぐ渡る武庫川の河川敷には大きい「生」のオブジェが今もあった。(これを観たくていったようなもんなので…)


ツバメの巣がある小林駅

小説「阪急電車」は各駅毎に物語が進んでゆくが、全部乗降するのはしんどかったので、駅の描写が一番多かった「小林」と書いて「おばやし」駅。

ここは「ツバメの巣」がある駅という描写でしたが、改札先にありました!時期が遅かったのか、ツバメの姿はありませんでしたが…

駅前のロータリー?は乗用車がUターン出来るくらいの広さしかなく、バスが入ってこれない。区画整理された整然とした町並みでは全くないが、すべてに手が届くような親しみやすい町並みが広がる。「いい駅」と薦められるのも納得な駅前でした。

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両側のドアが開く西宮北口駅

小説の折り返し地点であり、宝塚から来た今津線の電車のほとんどが折り返して神戸本線と接続する西宮北口駅。

西宮北口に到着した電車は進行方向の右側からドアが開き、次に左のドアが開く。左側は次の乗車口になるのでドアの前には既に順番待ちの列が出来ている。

描写通りに線路の両側にホームがある。先に開くのが降車ホームなので、7番線に到着している模様。もっとも、Wikipediaによると6番線はラッシュ時のみ使用されているみたいですが…

ちなみに駅名は「西宮」駅ではなく「西宮北口」駅であっている。だから、「西宮北口駅南口」と言うのも存在している。「○○口駅」という駅名は関東には少ないように思えるが、同じく西宮市内に「甲子園口」駅があったり、「苦楽園口」駅があったりとメジャーな様子。先に阪神本線の「西宮」駅、国鉄→JRの「西ノ宮→西宮」駅があったことも要因かと。


個人的に気になる阪急今津線

さて、ここまでは小説に沿って記事を書いてきましたが、少し脱線して個人的に気になる「阪急今津線」について。

宝塚~梅田の阪急最短経路

宝塚と大阪梅田を阪急で移動する際は、宝塚本線経由と、今津線と神戸本線を西宮北口で乗り換えるルートの2通りがある。

宝塚本線は急行が直通しており、対するルートは西宮北口で乗り換えを要し、しかも今津線は普通列車のみなので、当然宝塚本線の方が早いと思っていたら…

  • 宝塚本線経由(急行) 35分
  • 今津線(普通)&神戸本線(特急) 32分!  ※宝塚→梅田の平日日中時間帯

と乗り換えた方が早いという。発車時間の関係から宝塚から出る列車は先発電車に乗れば先に梅田につくことにはなるのですが…

地図を見ると宝塚本線が池田付近まで少し北を回るのが原因なのかなと。それでも、宝塚本線にはもう少しがんばってほしい…

※ちなみに最速はJR宝塚線の丹波路快速が25分という…

完全に影に隠れた西宮北口~今津

阪急今津線は宝塚~西宮北口だけでなく、西宮北口からあと2駅、阪神国道駅を経由して阪神本線と接続する今津駅まである。小説内では「今津線のしっぽ」と表現されている。

そもそも「今津線」の今津はこの南側に含まれているが、今回の小説では、登場人物の一人の最寄り駅として阪神国道駅が出てくるが、今津は残念ながらノータッチ。

かつては宝塚~西宮北口~今津と直通運転していたが、西宮北口で東西を結ぶ神戸本線と直角に平面交差していたため、今津線南側の高架化の際に分断されてしまい、物理的に直通出来なくなってしまった。

個人的にはこの西宮北口~今津は以前に乗ったことがあったのだが、映画においては「今津線は宝塚~西宮北口」と完全に除外されてしまっていたのがちょっと哀しかった(泣


小説「阪急電車」の感想

書評なんて大それたものは掛けないので、とりあえず最後に感想でも。

有川浩さんの小説は自衛隊三部作から入ったので、塩になったり、ザリガニが襲ってきたり、未確認物体が浮いたりしていないので、「ハラハラ」感はなかったが、街と鉄道が舞台と言うことで、小説も映画も楽しく読まさせてもらいました☆

個人的にはくっついた、離れたの恋愛関係は苦手だが、なにかメイン要素+恋愛という小説は結構好みなので、有川浩さんの作品は結構ツボが多い。中高生の頃読みあさっていた西村京太郎氏の作品でも、北帰行殺人事件からの下り特急富士殺人事件がお気に入り。

ストーリーもお気に入りで、現地を観て歩いてさらに楽しめたので、なかなか満足度の高い作品でした。

大阪周辺にお越しの際は、是非阪急今津線に乗ってみてください☆



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【写真は2012/07/29撮影、記事は2013/01/20作成】